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陰の女浜田文乃(若尾文子)へ特段の配慮をするよう願う遺言書が出てきたことで3姉妹と欲のかたまりとなったとりまきは露骨に若尾文子をいびり、いじめ、はては兄弟になるであろう子供の死産さえ望み、出産を妨害するかのような振る舞いをする。
そしてその陰険陰湿ないじめを受けたことで文乃は芳三とのあいだに授かった子供を無事産んで、命をかけて育てることを決心するのだった。
3姉妹はその仕打ちがのちに高くつくことになることをいまは知る由もない。
文乃には宇市が親身になってすりよる。14歳から番頭として二代にわたって旦那に仕え、安い給金でこき使われながら報われなかったこと、娘というだけで遺産を手にする姉妹に対する恨みがあった。陰の女への同情を自分と重ね合わせる宇市。「とれるだけとったらいいだす」と文乃に仕向ける。
長女の一人身の藤代は総領娘としての意地にかけて日本舞踊の師匠で法律や不動産取引に通じている田宮二郎を相談相手として頼るようになり、いっぽうの田宮二郎は藤代の財産を守るといいながらその財産をあてに藤代に近づく。そしていつしか藤代は仕組まれたように田宮に惹かれていく、、、
三女の雛子は世間知らずではるがしきたりにとらわれない現代風の合理的な考え方の娘。その雛子に雛子が相続した代々の書画骨董を狙うおばの浪花千恵子が味方になって遺産分けの現場でことあるごとに長女、次女の前に立ちはだかる。
さながら帝国主義時代の東南アジア植民地争奪戦の様相。利権をめぐり武力を背景にベトナムにはフランス、ビルマにはイギリスが近づき、オランダはインドネシア、アメリカはフィリピンに触手を伸ばす。
これらの国々にとって共通の敵は文乃の若尾文子でアジアを好き勝手にさせまいとひとり立ち上がる。「遺言書」に書かれたアジアの大義(利権の分配)を掲げ連合国に立ち向かう。後ろ盾がなく貧しい暮らしの中、したたかに筋を通しながら単身、本家に乗り込む。
江波京子、任侠映画顔負けのりりしさにしびれる、、、
次回は遺言の内容に不満があったばあいの民法で守られた取り分(法定相続人のみ)について改正を交えお話します。
2019.6.20