租税回避とは?
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税金はあらかじめ定められた法律により課税されるという大原則があります。これを租税法律主義といいます。
すなわち、
①何について課税されるか(課税物件) 所得、財産など
②何をもとに課税されるか(課税標準) 円、1㎡ あたりなど
③誰に課税されるか(納税義務者)
④誰のものに課税されるか(課税物件の帰属)
⑤税率などの定め
この①~⑤の要件を満たしてはじめて納税義務が確定され「課税」されることになります。
この要件を満たさないように、法律で認められた契約や取引を使って課税を逃れる、というのが租税回避です。意図的に要件のどれかを変えてしまおうとするのです。
課税する要件を満たしていないため、課税庁は課税できません。国や地方は後出しで税金をかけることができないように定められているのです。
一方、「脱税」は上記の要件を満たしていながら、隠したり、改ざん仮装することにより税を逃れるもので、租税回避とは根本的に異なります。
英国大使館 2018.11.13
酒井克彦氏は「本屋さんの立ち読み禁止の掲示」を例に挙げて説明をされました。
その本屋さんではことのほか立ち読みが多く店主のおやじはほとほと困っていた。そこで、「立ち読み禁止」の看板を誰が見てもわかるように店内のあちこちに掲げた。ただし、レジ周りだけは混雑時のために立ち読みしてもよい、としている本屋です。
「立ち読み禁止」を法律とします。そうするとレジ周りは「例外規定」と考えればわかりやすいですね。
するとレジのおやじから見えるところの立ち読み客は確かに減った。
しかし、店主の見えない店の奥のところの書棚の陰でこっそり読む人たちがいた。これは「立ち読み」していながら隠れて読んでいたことになります。これが「脱税」にあたります。
「立って」、「読む」という要件を満たしているからです。
こんな人も現れました。堂々と床に座って読みだしたのです。「立って」読んでないから「立ち読み」してはいません。要件は満たしてないことになります。
さらに、レジ周りのゾーンで買う気もないのに「立ち読み」している人たち。この人たちは課税要件を満たそうとしてあえてレジ周りにいっています。
レジ周りに移動して立ち読みすることは禁止されていないことをいいことに(私法上の認められた行為の選択肢を利用している)課税要件の充足を免れることをやる気でやっているのです。これが、「租税回避」行為だと講師はいいます。「座り読み」も「レジ周りで読むのも」節税であると。彼らはなんでいけないんですか?なぜ課税されるのですか?と開き直る。こうした行為はおそらく世界的な規模で行われていることでしょう。
ここからは私見。
一部の富裕層は日本の税金を逃れるためにあらゆる手立てを探ります。税逃れの仕掛けづくり、スキームを売り物にする業者も公然と富裕層に群がります。アングラ集団ではなくみなさんのよく知る大手業者たちです。意図的に小規模宅地の評価の特例や公益法人などを使って資産を圧縮したり、海外に移転させたり、、、、
いき過ぎた租税回避に対し、手当がなされますが租税法律主義の定めで後手にまわります。法律が改正されるたびにこうした「租税回避」をビジネスチャンスとばかりにたくらむ人たちが「出現する」のです。本来負担すべき人たちがこうした抜け穴を使って税を逃れることは課税の公平を損なう由々しき事だと思うのですが、みなさんはいかがですか?
法が本来の目的にかなったものとして悪用される可能性を排除し整備されることを望むとともに、「頭は使いよう」「抜け穴のある法律こそ問題」と開き直りうそぶく集団と組することはしたくないと当事務所は考えております。
2018.11.14
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