税理士に対する損害賠償請求~その実態と対応策①~
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税理士会主催研修の会場である中央線荻窪駅北口「タウンセブン」に向かう。
本日は税理士の「事故」ともいえる「税理士に対する損害賠償請求」について専門家責任、賠償責任保険についてのお話。顧客との信頼で結ばれているはずの税理士業において顧客から損害賠償請求を受けるような事態が発生するようになった。(ということはかつてはまれであった、ということであろう、消費税が導入され「課税事業者の選択届」をめぐるトラブルあたりからと記憶する。そんな事態に備え「税理士保険」までできて、すごい時代になったと驚いたものだ。注:筆者)
荻窪はかけだしのころ4年勤務した懐かしい街。武蔵野の雑木林と昭和の残る落ち着いた閑静な住宅街。再開発にもまれながらもいまでもその面影が残る。
では、「税理士職業賠償責任保険」はどんなときに支払われるのか。
税理士は「高度の善管注意義務」が要求され、きびしく問われる。
「税理士の資格に基づく業務に起因して、職業上相当な注意をしなかったこと」に基づく損害賠償請求を受けた時に支払う。
一言でいえば「税法へのなど理解不足、無知」による税法の適用誤りにより過大な納付税額が発生したものをカバーする。税制の改正についていっていないなどのケースがそのほとんどである。
では、「税理士職業賠償責任保険」はどんなときに支払われないのか。このあたりがビミョー。「事前税務相談業務担保追加特約」のからみがある。
例:
①「税理士の資格に基づく業務」とあるため、相続税の申告のときの「遺産分割」「遺贈に関する助言または指導」に起因するものは外される。→ 税理士業務ではないため!
②「税理士の資格に基づく業務」とは【税務代理】【税務書類の作成及び税務相談】であり、会社合併時の「合併期日」に係るアドバイスはこれにあたらない、とした。→ 合併期日を誤り繰越欠損金の引継ぎができなかった!
③「ふるさと納税のアドバイス誤り」→ 税理士が控除の上限額を誤って伝えた
保険会社は上限額は寄付をいくらしようと課税所得金額、住民税額で算出される、上限を超えて寄付をしようと「寄付は寄付として」有効で誤った指導ではない、とした。→ 適用誤りから生ずる損害賠償ではない、としたということ。(事前相談特約を付していたにもかかわらず支払われなかった)
④「株価の価格算定を誤った」→ 保険会社は株式評価の算定業務は税理士業務ではなく「コンサルティング業務」であるとした!
約款にはさまざまなケースの支払い不能が例示されていますが、ご覧のとおり結論は「支払いを受けるにはハードルが高い」ということ。そもそも「税理士の業務」とは何か注意しながらアドバイスしないと保険ではカバーされません。というよりカバーしようとしてくれませんと言った方がよさそうです。
逆に消費税の「届出の失念」や「原則課税による個別対応方式が有利であったにもかかわらず簡易課税で申告」したケースなどは救われているようです。
講師は案件を検討する際には「徹底的に調べ、後ろに誰も助けてくれる人はいないとの覚悟で臨むこと」と結びます。
昭和の香りのする正統派の喫茶店は37年の時空を超えて健在でした。長居しておばさまに「まだいるならもう一杯注文してちょうだい」といわれたこともあった、、、
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