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税理士に対する損害賠償請求~その実態と対応策②~

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2018.12.5 支部主催研修 講師:多田 雄司 税理士

無対価合併をめぐる損害賠償請求事故


合併に関する相談に対し株券を発行しなければ被合併法人の繰越欠損金を引き継ぐことができないところ、誤って「無対価」で行うよう助言したことから非適格合併となってしまった。


合併の大半(95%以上)は親子会社の合併であり、いったん事業の拡張をしようと分社したもののうまくいかず、子会社の赤字、繰越欠損金を親会社が引き継ごうとするケース。

この欠損金の引継ぎにおいて「事故」が生ずる。


社長がA社とB社の両方の株を持っている。ともに100%所有しておれば株券を発行しない「無対価」合併も可能。

ところが、

社長がA社とB社の両方の株を持っているが、B社は社長が90%、奥さんが10%持っている、としたとき

「一の者」がA,Bの株の全部を保有するばあいに無対価合併は適格であるところ、

税理士は「一の者」に奥さんが含まれると解して無対価合併を行ったことから税務否認を受けたという事案。(あくまで個人単位でみる)


「事前相談業務特約」を付していたため保険金の支払いが実行された事例。

事前相談業務特約とは「将来的な課税要件事実の発生を前提とする個別の税額計算等に関する相談」に関するものもカバーするということで事前相談に起因する事故と認定されたということになります。


この研修での主題は「税理士の損害賠償責任」ですが、私はこれらの事例を「税理士が誤りやすい致命的な失態の例示、法令や手続きをめぐる落とし穴」と受け止めています。課税庁は法令通り執行します。ここでいう事例は解釈での誤りではありません。誤ったアドバイスや選択でお客さんもろとも突き落とすことになりますね。

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