年金受給開始75歳から!
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ついに、というべきか政府は年金受給開始年齢を75歳まで繰り下げるようにする検討に入った、と報じています。
65歳からの10をとるか75歳からの20をとるかということです。
働く意欲旺盛のシニアにとって退職後の給与と年金とのバランスが悩ましいところで、60歳~64歳では年金と給与の合計額が月28万円を超えると超えた分の半分の年金が減額される「在職老齢年金」という制度があり、ふつうに働けば必ずひっかかります。そのため年金受給額をにらみながら勤務形態を調整して働き続ける人も少なくありません。
現行の年金受給開始年齢の65歳以降70歳までの繰り下げ制度を利用している人は「1%しかおらず、むしろ前倒しする人が多い」とあり、75歳まで繰り下げがどの程度利用されるか疑問です。
前倒しで60歳から受給を開始した人にくらべ、75歳から受給開始する人は15年間も年金受給が遅れます。長距離走のトラックでいえば先にスタートを切ったかめさんが15周走ってから、ようやくうさぎさんがスタートを切るわけですね。
ただ、うさぎさんのスピードは速く、かめさんとの差を倍のスピードで縮めていきますが追いつき追い越すのはいつになることやら。箱根駅伝でいえばかめさんが箱根の芦ノ湖に着いてこれから復路に向かおうとするときにうさぎさんは大手町を往路スタートするような。
前倒しして60歳からもらいはじめたかめさんはうさぎさんが走り始める75歳になるまでに月額15万だとするとトラックを15周するするあいだに2700万円をすでに歩きながら(失礼、走りながら)得ていることになります。(計算はざっくりです)
この繰り下げで失われた15年間の「逸失利益ならぬ逸失年金」2700万円を取り戻す。その後のかめさんとうさぎさんとの年金額の差額15万で取り戻すとして、15年以上かかる計算となる、85歳で追いつくと仮定して、ようやく追いついた後はうさぎさんの俊足をいかして繰り下げの威力を発揮し悠々自適かと思いきや、もうすでにお金のかかることに興味は失せて孫にあげるお小遣いがあればよい、となる。
一方で、もしぽっくりいかず、わずかなたくわえの老後資金も底をついて長生きしてしまったらどうしようという思いもよぎります。90歳は75歳から15年もある。これは現代のホラーです。そして息子も独身の非正規職員で、娘もうちに寄り付かないとします。(うちのことではありません。念のため)
「万引き家族」の是枝監督で岸部一徳あたりを主演に据えて「年金家族」のタイトルでドラマ化すれば視聴率を稼げるかもしれません。
元気で働く意欲まんまんで、75歳まで年金に頼らず自ら稼ぎ、社会保険料を現役並みに納付し、長寿が見込めるおたっしゃクラブの方は選択の余地があるのかもしれません。(この年金資格者からの社会保険料の徴収を年金支給の先送りとともに政府は誘導しようとしているわけですが)75歳からとした場合65歳から受給する人の年金額の2倍程度というからすごいですね。しかし、75歳すぎて枯淡の境地に入り、友人は減る一方であらたに病院が親友となり、ステーキより霞を食べて暮らしたい仙人は必要以上の収入を望むのでしょうか。まず、なにより15年後のことなど見通せない。
しかし、「あんなに元気だった人がどうして、、、」があります。よくある話です。
逆に入退院を繰り返しいよいよと覚悟していたら奇跡の復活をはたししぶとく年金をいただき続ける高齢者(私の91歳の母ですが)もいます。
繰り下げしたものの働いて働いて74歳でぽっくり、となればそれまで納めた社会保険料はお国にそっくり「お召しあげ」となります。
義姉は60で亡くなり年金を受けることもなく、「天に召され」た上に、お国にも「お召し上げ」られました。
年金制度は「掛金前納済の一生涯受け取れる年金型終身保険」とこの「死亡保険金のないお召仕上げシステム」で、姉とおばあのような人が合わさって成り立っています。
友人は「自分は長生きの家系で、白髪もない。外国法人での海外勤務もあって保険料を納めていない期間も長い。だから4割増をめざし70歳まで繰り下げする」と宣言し息巻いています。謹んでご長寿をお祈り申し上げます!
人は年金のことだけを考えて生きているいるわけではありません。損得計算は大事ですが、まずなにより人生を充実させることが大切ですね。
2019.1.27
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