借地権 民法と税法 2023/7/24
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中野サンプラザの解体と駅前の再開発のために今回の研修会場は後楽園駅前の文京シビックホールになりました。
中野は楽しみだった。迷宮のようなサンロード界隈は駅周辺の再開発で変わっていくのでしょう。
今回の研修テーマは「借地権」です。
まず私たちは「民法上の借地権」と「税法でいうところの借地権」を区別して考えていかなくてはならないと前置きされたうえで、これらを混同して語られ、処理がされていることへの危険性を指摘されていた。
「税法上の借地権」とはすなわち「お金になる借地権」を指しており、「地代を支払いさえすれば借主は保護される」民法上の借地権とは一致しない。
たとえば、会社が借地の上に建物を建築したさい、権利金の授受がなく会社の決算書上に借地権の記載がなかったからといって借地権がないということではない。
会社の貸借対照表に記載はないが、借地権については権利金等を支払って取得するもののほか、使用開始の時点で受贈益の計上漏れのものや地価の値上がりに伴う自然発生するものも存在する。
「地価の値上がりに伴う自然発生するもの」の例としてあげられたのが「昭和39年の新幹線開業後の新横浜駅周辺」の事例である。
「受贈益の計上漏れ」には課税庁による課税漏れも指摘され、そのため時効もかかわってくる。
相続税の申告に際しては昭和の時代からの税法の取り扱いの変遷に留意しなければならないし、なにより関西、中京圏と小田原あたりを境にした東京圏との借地権をめぐる慣習の違いも考慮されなければならない。
問題となるのは「無償返還の届出(「無返」と略しておられた)と「相当の地代の届出」の扱い。
そこに無償による資産の譲受を所得金額の計算上益金とする定めのある「法人税法」との課税関係が関係してくる。
借地権には「原始発生的」のものと「自然発生的」なものがありその発生形態に留意する必要がある。
税理士によっては借地権の問題を深掘りすることなく、通達などに即して(あたりさわりなく?)申告をすませることもあろう。
税務関係の書籍はおおむね「税務上の借地権」の視点で書かれたものであって、「民法上の借地権」からのアプローチがなされているとはいえない。
まさにその違いをベースにして掘り下げ裁決された平成4年11月付の審査請求事案を紹介された。
すなわち、賃借関係が使用貸借として認められず、土地の評価額は自用地としての価額から借地権相当額を控除した金額であるとして更正処分と過少申告加算税を行った事案。「じっさいには受贈益として課税庁が課税されなかったものの課税されるべきであった借地権」を認定している。
土地の貸借が使用貸借であるか賃貸借かどうかは遺産分割協議をもとにした請求人の主張によるのではなく税法に照らして判断すべきである。
マニアックな「おたく」のにおいぷんぷんの笹岡税理士によるガツンと骨のある研修でした。
気温34度の後楽園。
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