おそろしい「買い換え特例」のその後 2024/11/6
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①昭和50年代に中古住宅を100万円で購入し、ずっと住み続けていましたが、
②狭くなったためその家を1000万円で売却し、
あらたに1200万円の住宅を購入し、そこに移り住むことにしました。
③税理士さんに相談すると、
まず、住宅を売却した時に買った時よりも売れたときの価格が高いと「譲渡所得」が発生し、申告が必要になって、
1000万円-100万円=900万円の利益に対しておよそ2割の税金がかかります。」
といわれました。
「ただし、住んでいる家を売却して、新しい家に住み替えると「居住用財産の買い替えの特例」が使えて、今回は税金がかからなくなります。
では、そのように申告しておきましょう。」
よかった、よかった。
④そして、その後20年後に事情があって、この家を売ることになった。
1200万で買った家が地価の上昇もあって1500万円で売れた。
もう、依然頼んだ税理士は廃業しており、
別の税理士に申告を依頼した。
「いくらで買ったものがいくらで売れましたか?」
1200万のが1500万円で売れました。
「そうすると300万円の譲渡所得となって、そのぶんに税金がかかります。申告書をつくって提出しておきましょう。」
⑤しばらくして、税務署から連絡がきた。
「あなたは以前、居住用財産の買い替え特例を受けて申告されていますね。」
はい、それがなにか?
「譲渡益は1500万円-100万円=1400万円となります。」
えーっつ、なんで?
「税理士さんに以前申告されたときの特例の適用のことはお話されましたか?」
いいえ。
「特例の適用を受けて無税となった居住用財産は買い換え前の住宅の所得価額100万円を引き継ぐのです。
ほんらい買い換え前の家を売った時、その時に生じた900万円の利益に対して税負担をしなければならなかったところ、住まいの買い替えであることから課税の繰り延べをしたにすぎません。」
買い換え後の自宅を売却した時、1200万円で購入した家の取得価額は100万円につけかわるのです。
つまり、特例で免除されたかに見えた900万円の利益はちゃらになるのではなく、買い換え後の自宅を売却した時に、課税されることになります。」
えーっつ!
[説明]
これは「引継価額」といって、
これを税務署は
住み替え後の住宅を30年後に売ろうと50年後に売ろうと関係なくほぼ永久管理する。
繰り延べられた900万円の利益はずっと放置されることなくスタンバイして課税を待っている。
「取得価額引継整理表」で管理し、課税しなかった事実をほったらかしにすることなどない。
これは、かなり「もめる」事案となる。
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