事業承継税制の特例①~その背景~

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平成30年11月9日の税理士会研修会での品川芳宣氏による講義を受けてのメモです。
中小企業の後継ぎに悩んでおられる社長さんたちは多くいらっしゃることと思います。今後10年間で団塊の世代の経営者がいっせいに退く時期を迎えますが70代、80代の経営者で半数以上がその準備ができていない、といわれています。せっかくの技術や長年培った信用はどうなるのでしょう?そこで創設されたのが事業承継税制です。
税制改正の目玉として登場した特例ではありますが、①軽減される税負担が限定的、②手続きが複雑であったために当初5年間の利用件数は年間170件ほどと多くはありませんでした。
平成30年の改正でいままでの制度を残しながらより利用しやすく、税制の軽減を拡充した特例が設けられました。まさに平成30年からの10年間限定で、団塊の世代の事業承継に合わせた格好になっています。しかしながら事業承継へ対策はいまにはじまったことではなく「小規模宅地の特例」や「相続時精算課税制度」、「取引相場のない株式の評価」などの手当てがなされていたわけです。したがって、すぐに事業承継税制の特例にとびつくのではなく、新たに選択肢が加わった、と考えるべきでしょう。
いままで事業承継といえば相続税に詳しい税理士にお願いしたほうがいいというのが一般的でしたが、この事業承継税制は法人税が大きくからみ、資産税と法人税の垣根がなくなったといってもよい制度です。しかしながらより利用しやすくなったとはいえ制度は複雑で手続きも煩雑で、利用するにあたっては選択科目から必須科目となったために資産税と法人税のエキスパートによるコラボが必要ということです。税理士事務所のありかたを変えるかもしれません。
現在の企業経営者のピークは65歳から70歳であり、今後10年間に10万件を超える事業承継が行われ、そのためこの特例の利用件数は2,000から3,000件と見込まれるうえに相談件数はその10倍になろうと予測されています。ただでさえしり込みしてしまうような制度内容ですので少しづつご説明していきたいと思います。

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